「チームコーチング」とは
最近のコーチ業界で、新しい手法としての「チームコーチング」という言葉を聞きます。
私自身も主観的に(勝手に)「チームコーチ」「プロジェクトコーチ」「グループコーチ」「コーチ型ファシリテーター」を使ってきましたが、「グループコーチング」という言葉を使っている人達との使い方(言葉の定義)の差異に戸惑ったことを思い出します。
国際コーチング連盟ICFは、
“チームコーチングは、コーチング専門職の中でも最も急速に成長している分野の一つであり、民間企業、政府機関、非営利団体などの組織においてますます重要になってきています” と述べ、この成長中の分野を定義しガイドするために、ICF Credentials and Standardsは「ICFチームコーチング・コンピテンシーモデル」を発表し、そして、
“このモデルは(さまざまな専門職が)混在している市場で、コーチング実践者がその独自性を明らかにし、組織のコーチング導入者にその価値を示すことができる専門資格を開発する基礎となる。
チームコーチングは、チームが継続的に高いパフォーマンスを発揮し、継続的に発展していくための力を与えるものであり、コーチングがサポートする革新性、柔軟性、適応性、目標の整合性の特性すべてを必要とします” と述べました。
これを知ったことで私の中にも火が付き、アイキャッチに用いた本を読みました。
ICFは「チームコーチング」を「チームが共通の目的と共有されたゴールに到達するために、共創的で内省的なプロセスを通して、チームの能力と可能性を最大化させるように、ダイナミクスと関係性の上で成り立つチームとしてのパートナーシップを築くこと」と定義づけています。
コーチングは「個」から「個+チーム」の時代へ
今までは、“チーム”という対象に、コーチング手法を“どのように関与”させると、“どう機能”するのか、が明確にできていない状況でしたが、この本を読むことで、それが見えてきました。
チームメンバーのコンビネーションでゴールを目指す「サッカー」や「ラグビー」のようなスポーツを考えると、大変分かり易いです。
メンバー個人の能力を上げる目的が「個人コーチング」、チームの勝利を目的とするのが「チームコーチング」と考えるのです。
優秀な個人を集めれば常勝チームが出来上がるとは限らないことはよく知られたことで、そこにチームコーチングで何を行えば良いのかが見えてくると思います。
今までは、個人の能力や在り方、人間関係の構築に焦点を当て、その結果として組織が活性化され発展につながると考えていました。それは間違いで無く必要条件なのです。
VUCA(ブーカ)な時代と呼ばれ未来の予測が難しい今、柔軟な組織力(チーム力)が求められ、それに応えるコーチングが必要になってきたのです。
このような変化の時代、一コーチとしての私は何をすれば良いのか、自分への問いですね。
いま行っているリーダーやマネージャーに対する個人コーチングの中に、チームコーチングの考え方を融合させていけないだろうか、クライアントさんのチームに直接関わる立ち位置を作っていくのか。
「どうする智玄」
この写真は、散歩中に見かけた、センダンの実に群がるムクドリです。これは、グループなのでしょうか、チームなのでしょうか。究極の目的は「種の保存」だと思いますが。