コーチングをティーチする?
「コーチング研修」の講師が、コーチングの有用性をティーチングしている姿、熱く語る姿に「?」を感じる私は、コーチが講師として行う研修として、「グループコーチング」や「コーチ型教育ファシリテーション®」の形を導入してきました。
今年、スクールコーチ協会では「コーチング×教育実践研究会」を立ち上げ、先生方のリアルな声を聴きながら、「学校現場にコーチングをどう活用できるか」をコーチと教員が一緒になって考えています。
私としては「先生方との対話自体、およびリアルな内容」が非常に重要なリソースになっていますが、同時に研究会の「進め方」を工夫し試す場にもなっています。
教えてはいけない?
この2冊の本、最近出版されたものですが、
左(最高のリーダーほど・・・)はコーチングの基礎編、右(最高のコーチは・・・)は応用実践編に当たるものとして分かり易く読み易い本だと思います。
2000年代当初、それまでの人材育成法「教え込む」に対する「引き出す」という切り口が、対極的表現で「教えてはいけない」という表現の育成法で広まってしまいました。
これがさらに誤解を生み「コーチングは甘やかしだ」「実際の現場では使えない」といった声も聞こえました。
今また上記のような本が広まることは嬉しいことです。多くの人々に、これらの本が述べている本質を理解して頂きたいと思います。
コーチは「気づきを起こす」「引き出す」を根本にしながら、「体験を伝える」「提案する」「要求する」スキルも持っています。実はこのスキルを使うのは大変難しく(多くの人は教えたがり屋)、安易に使うとコーチングの根本理念から外れるため最初は伝えないようにしているのです、私は。
研修の場では?
「誰」に「何」を「何のために」が抜けたまま「ティーチング」だ「コーチング」だ、と論じられているケースがあります。その時その場での最適解(戦術)を選んでいくのが「個別対応」であり、コーチングの一つの戦略でもあります。
だとすると多人数を対象にした学習や研修には不向きなのでしょうか?
先週行った中学校の教員研修では「私はコーチですから」を連発しました。これにより押しつけがましくなくコーチの考え方や行い方を示すことが出来ました。裏には「それって教員でも同じだよな~」と感じてもらう狙いを持っていました。
研修の中でコーチ、コーチングを見せる、コーチが進行させる研修を体感してもらい、学級経営や学校経営に活用できるものを自ら取ってもらう形です。
今これを書きながら「見比べ形研修(仮称)」と名付けました。
参加者に、自分に活用できる所、自分にとって有用だと思うものを考えてもらい、持ち帰ってもらうのです。
「これは使えるぞ!明日の**で早速使って見よう!!」
こう思ってもらう事が私のゴールです。
そのためには「自分が欲しいもの」「今手に入れたいもの」を明確にして臨んでもらう仕掛けや、「問いかけ」で進行させるなど、新しい形の研修戦略を練り上げる必要があります。
長くなりました、でも楽しみですね~