かみつけの里

▲ 秋桜に囲まれた「二子山古墳」

上毛野はにわの里公園

10月後半というのに、年間夏日を更新中の日本列島ですが、秋桜(コスモス)が美しく咲く上毛野(かみつけの)はにわの里公園(群馬県高崎市)に出掛けました。
上毛野は、古墳時代の群馬県地域の呼称だそうで、ここは「古墳」と「埴輪」の里なのです。5世紀末から6世紀前半にかけて起こった、二度の榛名山大噴火で隠されていた遺跡が発掘調査で明らかになった処です。
上の写真は「二子山古墳」の全景、左側のこんもり盛り上がった部分が「前方後円墳」の円形部分でこの頂上に大きな「石棺」が納められており、そこまで登ることが出来ます。

杯を捧げる女子

古墳の近くには「かみつけの里博物館」があり、5世紀の社会景観を復原し、解説してくれています。

私は、その展示の中で「埴輪」に惹かれました。
埴輪の造形には、古代人の社会的な役割や精神性が反映されており、当時の社会構造や信仰、生活様式を考察する上で重要な役割を果たしていると思います。
埴輪は現代においても、芸術的価値を持つ文化遺産としても評価されています。

武人の埴輪

特にその独特な造形美や素朴な芸術表現は、現代のデザイナーにインスピレーションを与え、工芸や彫刻、デザインなどの博物館やギャラリーで展示されることも多く、表現手法は現代アートの作品にも影響を与えるものと言われています。

私が、今回惹かれたのは埴輪の「顔」、その二人の写真をここに挙げました。
いい顔をしていると思いませんか?
現代の我々にも共感を呼ぶ要素を含んでいると感じたのですが・・・、しばし沈黙の面談をしていました・・・。

八幡塚古墳

八幡塚古墳の埴輪群

こちらの写真、人物や動物の埴輪群は、同公園の「八幡塚(はちまんづか)古墳」の一角にあります。

この古墳は、発掘調査の結果に基づいて当時の形に復原されています。
斜面には「葺石(ふきいし)」が積まれ、埴輪で飾られ、遠くからでも白く浮き立って見える構造になっています。

古墳の頂上から内部に降りられるようになっており、王が眠る大きな石の棺「舟形石棺」を間近に見ることが出来ます。巨石をくり抜いた大きさ、重厚さに驚かされました。

権力者の古墳を囲む埴輪なのですが、なにか〝ゆるさ〟を感じさせるのは「何」なのでしょうか。当時の「王(権力者)と人民の関係性」が現代と違っているのかな、と思ってしまいます。