価値共創

▲ 香り立つ金木犀(キンモクセイ)

学びの季節

前回トピックスは〝松茸三昧〟で「食欲の秋」を語りました。いつまで続くのかと思われていた酷暑も陰りを見せ、ようやく秋が見え始めました。
「読書の秋」「勉強の秋」「芸術の秋」・・・色々と言われていますが、秋は「学びの季節」ですね。
今回は、思いに耽る散歩道で見掛けた秋の景色を並べながら「私の学び」を述べてみます。

共創とは?

VUCAと呼ばれ、社会やビジネスにとって未来の予測が難しくなっている今注目されている「共創」をプロコーチの立場で考えました。
経済産業省が2022年に公表した「令和 3 年度企業による価値共創事業の実態調査」では「価値共創」を以下のように定義しています。

社会に変化をもたらす新しい価値を共に生み出す活動。そのために、画一的でない価値観を有する多様なステークホルダーと、共有された大きな目的のもと、創造的対話を継続的に実施する。
各々が貢献(提供)できる資源を持ち寄り、組み合わせることで、実験・実装を行い、地域社会の共感を呼んでいくもの。

たわわな柿

私がこの言葉に出合ったのは、クライアント企業さんの新規事業開発部門。自社の技術やアイディアだけでは生まれなかった新規事業や新技術、新製品の開発につながり、新しい価値を生み出すことを狙っていました。

自社の経営資源のみで研究開発を行う自前主義では限界を迎え、企業が勝ち残る戦略として、外部のリソース活用や協業が必要となっているのです。共創の「ステークホルダー」は、企業、行政・自治体、研究機関・専門家、消費者・市民など、多様な組織や団体でよく、企業内の他部署でも「共創」と表現されることもあるようです。

共創の場づくり

共創に必要な要素として、次の2つが上げられます。

ステークホルダーの共通の課題を言語化し、共通目的にした「パーパス」
創造的な対話や実験を継続的に行える「共創の場」

これらを考えたとき、これは正に「チームコーチング」である、チームコーチの出番である、と感じました。国際コーチング連盟(ICF)では、「チームコーチング」を以下のように定義しています。

チームが共通の目的と共有されたゴールに到達するために、
メンバーの共創的で内省的なプロセスを通して、
チームの能力と可能性を最大化させるように、
チームのダイナミクスと関係性においてメンバーとパートナーシップを築くこと。

さらに妄想

もう直ぐはぜるザクロ

さらにこんなことも浮かびました。経産省の「価値共創」定義文中の〝社会〟を〝一個人〟に置き換えるとができるのでは?

一個人に内在する多様性、無意識領域の自己であったり、価値観やニーズであったり、それらをリソースと捉えて活用する「個人の中での共創」。

これは、コーチングそのものです。コーチングって共創だったのです。
この写真のザクロももうすぐ〝はぜ〟ます。パカッと割れて中身が見えるともっと魅力的になりますね。
私の中でコーチングがはぜた感じ、先ずは「チームコーチング」を始めます。

*)VUCA
Volatility(変動性)・Uncertainty(不確実性)・Complexity(複雑性)・Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った造語で、社会やビジネスにとって、未来の予測が難しくなる状況のこと。