自主、自律、主体性

▲ 日光東照宮を作ったのは?

1on1ミーティング指導を通して考えたこと

企業・組織において、人材育成、能力開発、生産性向上、・・・、離職防止等の観点から「1on1」を活用する流れが広まっていますが、ここにはコーチングの考え方が必須であり、そこを理解しないと望む成果は得られません。
私も1on1研修、個別指導を行っていますが、今日はその中で気づき考えたことを共有します。

会社においては「自律性」という言葉を使って、望む人材像を表すことが多いのですが「自律性」とは何なのでしょうか?
1on1を行う上司側に、この意味が共有されていないと感じます。

「自律性」は、「自ら考え行動する」「自身の規律に基づき行動する」などと表現されることが多く、行動部分に焦点が当たっています。
“自ら考え” “自身の規律” という認知部分に焦点を当てるとどうでしょうか。
上司の思いには、この認知表現の前に “会社のため、顧客のため” という目的が暗についており、
部下の思いには、“自分の価値観に基づき、自分の成長のため” という目的がついていることが多いように感じるのです。
自律的な行動の源(原動力)は、「主体性」に根ざしていなければなりません。

「主体性」は、自分の行動が、自身の自覚や価値観に基づくと認知しており、行動に対する責任を取れると認識している状態です。

1on1においては、部下の自律的な行動を見つけ、部下の主体的な考えと結びつける対話を作り出すことが必要です。その後、それを会社の目的(パーパス/社会的存在意義)につなぐストーリーを作るのが、上司(特に中間管理職)の仕事だと思っています。これが難しいことのようです。

コーチの仕事は「クライアントを主体者にする」ことにあります。

学校では「自主的に」を使っている

私は小学校でもコミュニケーションの授業を行っているのですが、学校で見かける標語などの表現には「自主的に」が多いように思うのですが、「自主性」とは何でしょう。

「自主性」は、成すべきことを、他人からの指図を待たず、自分から進んで行う様をいいます。
ここで問題なのは「成すべきこと」が “誰のため、何のため” なのか、と言うことです。

大谷石を切り出していた人は?

学校では、決められたこと、求めらることを素直に行うことを期待されているようです。
それが、会社に入っても同じように続いており、現場では主体性よりも自主性を重んじる傾向が強いように感じます。

学校教育から変えていかねばならないです。

今回のトピックスで使っている写真は「日光東照宮」と「大谷石地下採掘場跡」ですが、テーマと関係ないですね。実は前回トピックス(7月31日「富士・箱根・鎌倉」)の続きの旅行写真です。
この歴史的、文化的遺産を作り上げた人々のモチベーションは何だったのでしょうか?
特に、当時の職人さん達の思いを想像しようとすると・・・「主体的」だったのか「自主的」だったのか、はたまた「強制的」だったのか・・・、難しいです。