プロコーチに求められるもの
国際コーチング連盟(ICF)ではプロコーチに求める「倫理規定」と「核となる能力要件(コア・コンピテンシー)」を明確に打ち出しています。これを身につけることはプロコーチには必須です。3年前のトピックスでも取り上げていますが「コーチの倫理規定」の勉強会に再度参加しました。
コーチとしてだけでなく、コーチを養成している立場の者として、重要で基幹となる領域ですが、今回また新たな気づきや解釈の深まりが起こりました。
3年前と同じ文章を読んでも、入ってくるものが異なる。と言うより、入り方が異なっている・・・「小難しいことを述べているな」から「深く考えられているな、ここだよな」という感じ、受け手の「認知能力」の問題ですね。
先ず組織(ICF)としての「倫理原則」であるコアバリューがあり、それに則ってコーチに対する「倫理規定」があり、さらにそれに基づいた個人の「能力、行動」が明文化されています。
多くのコーチ養成講座では、この大前提となるべき「倫理」の部分が、「能力、行動」を学んだ後に出て来ます。「行動」から入るのは意味あることですが、講師側は大前提としての「倫理」をしっかり頭に置いておく必要があると強く感じました。これが無いと、薄っぺらな講座になってしまうと思います。
「倫理」と「道徳」
勉強会の中で「倫理(Ethics)」と「道徳(Morality)」が話題に上がりました。私は、この言葉を並べて考えたことが無かったので、新しい視点でした。なので勉強会が終わった後も調べ考えました。
「倫理」は、その社会が持つ普遍的な行動規範や価値観の抽象的な概念。一般的に理性や論理に基づいて構築され、合理的な判断や行動を導くための体系と思われます。
「道徳」は、その社会に属する個々の行動や選択に対する個人的な良心や義務、規範を指すもの。一般的には、宗教や文化によって形成されることも多く、特定の価値観や信念、伝統に基づくと思います。道徳は個人の内面的な要素を強調し、個人の良心や善悪の感覚に依存するでしょう。
こう考えたとき、プロコーチに求められる「倫理」が、上図の「コアバリュー・倫理原則」で、「道徳」が「倫理規定~コア・コンピテンシー」に当たるものだと思いました。私の中で「道徳」は概念的なものだったのですが、今は「具体的な行動」に置き換わりました。
「道徳」を調べる中で、【特別の教科 道徳編】小学校学習指導要領(平成29年告示)という文科省の資料を見つけました。
コーチングの理念・マインドに共通する部分が多く、驚きでした。
今、私は【心の健康】の切り口で小学校の授業を行っていますが、【道徳】を切り口に入るのも〝あり〟と思い始めています。
そんなことを思いながらの散歩道、桜の開花が異常に遅い今年、例年ならば同時にその花を見る「カタクリ」が先に見頃を迎えていました。
その花、今年は心なし色が薄いように見えます。
これも「認知能力」の変化なのか?「環境条件」の変化なのか?