更新されたコーチのコア・コンピテンシー
国際コーチング連盟(ICF)が定めるコア・コンピテンシーの中にある「今ここに在り続ける(Maintains Presence)」の勉強会に参加しました。
このタイトル、2019年末に更新されて出てきた表現で、それ以前は「コーチングを行う際のコーチの在り方(Coaching Presence)」でした。
私の解釈では、新旧、その内容の違いは少ないのですが、ICFがこの表現「今ここに在り続ける」に変えたことに大きな興味を持ちました。
このタイトルが持つ魅力に惹きつけられた参加者が多く、表現を変えたICFの意図に興味を持つ人と出会えなかったのは、少々残念でしたが・・・。
ICFは、
「開放的で柔軟で安定的で自信に溢れる態度を以って、クライアントに対して感覚をフルに開き、今ここに共に在り続けている」
と定義づけています。
その中の項目として
「クライアントに対して、集中しており、観察者であり、共感的で、反応良く対応し続けている」
がありますが、“集中” と “反応よく対応” は矛盾するようにも思われます。対応を考えていると、集中出来ないのでは?
ビギナーのコーチが「次に行う質問」を考え「聴けない状況」に陥るのと似ています。
しかしベテランになれば、集中して聴いていれば、質問は浮かんできます。これと同様に考えれば、集中と対応は矛盾する状態ではないはず。どうすれば?
「自分を手放す」「自分の存在証明を手放す」と言うことでしょうか。
クライアントに集中すると言うことは、コーチの役割は何か? コーチの存在価値は何か? につながるポイントになりますね。
今ここに共に居る、とクライアントが感じられる存在であることなのでしょうか。
別の項目として「クライアントと共に居続けるために、自身の感情を管理している」があります。
これも “在り方(Being)” につながるものでしょうね。
「今ここ」
禅の中に「今ここに集中する」「私たちは今にしか存在し得ない」という教えがあります。
老子の中にも「あなたが落ち込んでいるとしたら、あなたは過去に生きている」「あなたが不安に苛まれているとしたら、あなたは未来に生きている」「あなたが平穏なら、あなたは今に生きている」という一説があります。