一を聞いて十を知る

「明晰な頭脳」「鋭い洞察力」「豊富な知識」これらを備え、「一を聞いて十を知る」そんな人になりたいと思っていました。相手を逃がさない「鋭い眼光」もかつての憧れでした。
しかし自分の知識、経験の中に答えを探すことは、自分の枠から出られないということ。
「一を聞いて十を知る」は、「一」が聴けたときに、まだまだ私の知らないことが「十あるはずだ」と「知らないことを知る」と解釈するのがいいなと気付きました。
表に出てくる情報は氷山の一角。「知ったか振り」は自分の有能・優秀性を誇示しようとする「存在証明」に無駄なエネルギーを使っているだけですね。

「分かった」で、脳は思考を停止する

「あっ、分かった!」この瞬間、分かったと思った瞬間、脳は思考を停止するそうです。
「あ〜っ、そうだったのか」まで聴き続けることが大切。「群盲象を撫でる」のごとく、私は相手のことを何にも知らない。何をもっているのだろうか、どんな思考方法? どんな価値観? それを相手が自分の言葉で、自分の表現で語るまで、決めつけずに聴く。これが「聴く力」。
コーチの「聴き耳」が錆びないように、常に、一生磨き続ける必要があると意識し、実践しています。

私はまだ知らない。どんな人なんだろう? 興味を持って聴く。